「お客さん?何色にしますか?」
涙が自然と溢れそうになるのを堪え
「紫」とぶっきらぼうに答えた。
綺麗に束にされた花を受け取り
金を払ったので店を出ようとしたら
「雨か……」
さっきから降りそうだったもんな
花が濡れないうちに急ぐか。
扉に手を掛け足に力を入れて走り出そうとした
その瞬間……
「お客さん、傘どうぞ」
腕を掴まれ強引に傘を渡される。
「大切な所行くんですよね?」
気をつけてください、と言ってそのままレジの方へ戻っていった。
__不思議とその姿に目が奪われた。
紫色のクロッカスの花言葉は
“愛の後悔”
