ある訳ない、ある訳ない。
と自分に言い聞かせつつ、教室の扉を開ける。
中には円になった数人の女子がいて私の方を少し見ると、そそくさと散らばる。
なんだろう…
違和感がある。
昨日とは明らかになにかが違う。
その場の空気に耐えれなくなった私は、机に鞄を置いて、とりあえず教室を出ることにした。
「落ち着く場所ってどこかなぁ…」
人のいないところがいい。
そんなとき、頭に浮かんだのは、
「そうだ、屋上行こう」
普段は蓮先輩が寝てるみたいだけど、
こんな朝からは流石にいないだろう。
誰もいないことを願いつつ、階段を上る。
そして、上り終わってから気付く。
あ、鍵忘れた。
