「あらぁ、よかったじゃない」
ご飯を作りながら喜んでいるお母さんとは裏腹に、困った顔をするカンナ。
「花梨、どうゆう事…」
お母さんには聞こえないように小さい声で聞かれる。
「なんか本当…成り行きで…」
あの状況は説明できそうにないよ!
私だっていまだになんで入ったのか理解できてないところあるしね…
「でも大丈夫、カンナの忠告もあったし黙っててくれるように頼んだもん!」
だから安心して?と付け加えてカンナを見る。
納得はしてなさそうなものの
「気をつけてよね」と言ってくれた。
___その後は学校の話を聞かせてもらいながらご飯を食べた。
カンナがそろそろ帰るといったときには
時刻も9時をまわり、外も真っ暗になっていた。
「じゃあまた明日ね!」
「ん、ありがとねー」
玄関からカンナを見送り鍵をかける。
暗いから帰り道大丈夫かな?
送って行くって言ったのに……
そうだ!メールで家に着いたか聞こう!
今日交換したアドレスを探していると、携帯が震えメールが受信された。
“近所だし無事だからねー
今日色々あって疲れただろうから花梨は早く寝なさいよ”
カンナらしい絵文字の一つもないメールだったけど、心がとても暖かくなった。
心配してた事バレてたのか……
私はありがとう、と返信をして言われたとうりに早く寝るためお風呂に向かった。
