このまま断り続けても絶対時間の無駄になるだけだよね
ならもう....
「わかりましたよ。」
その言葉を聞いて会長さんの口がにやりと上がる。
詩音君も嬉しそうな表情でこちらを見ている。
「ただし、私の条件を聞いて下さい。」
「へぇ、言うねこの女」
柊さんは心底めんどくさそうな顔をして言った。
..... まだ柊さんは目を合わせてくれていない。
そんなに嫌ならもっと反対してくれたって良いのになぁ
「で、条件とは?」
机に身を乗りだして聞いてくる会長さん。
少し顔が恐いんだけど...
「私が庶務である事を秘密にして下さい。
それからどうしてもの事が無い限り話しかけないで下さい。」
会長さんと詩音君はとても驚いた顔をしてこちらを見た。
凄く偉そうな事を言ってるのは分かってる。
だけど私の平凡生活を崩される訳にもいかないの。
友達だって欲しいし、何よりカンナの忠告を無駄にだってしたくない!
「フッ、そんな事か。良いだろう。」
「じゃあこれからよろしく!花梨ちゃん!」
詩音君が私に飛びついてきているのと同時に
柊さんが扉から出て行ったのを、私は無言で見送る事しか出来なかった。
