人通りの少ない道を物音一つたてないように静かに歩き
ある店の前で足を止める。


一人で道を歩くのはいまだに寂しくて…


それを紛らわすかのように雲行きの怪しくなった空を見上げた。



「あの日から三年も経ったんだぜ……」



そう呟けばお前が今でも


微笑み返してくれるんじゃないかって
返事をしてくれるんじゃないかって

そんな淡い夢を見てしまう。




__…カランカラン


小さな鉦の音とともに扉を開ける。

店の中には机から上半身をバッと起こし



「いらっしゃいませっ」

と小さく笑う少女1人がいた。