ざわついていた教室が少し静かになり、みんな私の方に視線を向ける。
「この子、転入生の橘花梨ちゃん!」
自己紹介をする前に詩音君に先を越されてしまった…
「こ、こんにちは、橘花梨です。よろしくお願いします」
少し声が裏返ってしまった。
.....だって仕方ない。
なんかすごい見てくる子がいるから!!
私がおかしなことをしたかどうか不思議に思いながら、自分の机を探す。
あった…その子の後ろに…
「よろしくねー…?」
恐る恐る声を掛けてみる。
「よろしくっ!ねえ、あんた!なんで詩音君と一緒に来たの!?詳しく教えてよっ!!」
溢れんばかりの笑顔で、食い入るように私に質問を浴びせてきた。
「えっ、えっと」
少し戸惑ってしまう。今日は問い詰められるのが多い日かも…
「あ、自己紹介遅れたっ!あたし、栄カンナ!カンナって呼んでいいから」
少し大人っぽい容姿で高いテンション。
カンナちゃんはお姉ちゃん気質っぽい。
「ってか、花梨!早く教えてよっ!なんで詩音君と一緒にいたの!?」
「なんでそんなに…?」
「当たり前じゃない!詩音君はこの学園の華、イケメン生徒会のメンバーなんだから!」
