はぁ、とため息をついて茜の目を見る。
「なっ、なによ」
と茜は小さな声で言った。
ビビってんのか。
「別に、なんもしねーよ。このまま怒りに任せて襲うとでも思ってんのか?自意識過剰だろ。もうお前に興味なんかねーよ。」
何故かこんな時に限って言葉がスラスラと出てくる。
「そもそも、俺だって単なる暇つぶし位にしか思ってなかったから。調子乗られても困るんだけど?」
ああ、こんなものは負け惜しみだ。
かっこ悪い。俺はこんな人間だったのか。
ショックだな。
女にも、自分にも失望した。
「ひどぉい、遊びだったとか。茜かわいそぉ」
茜の仲間の一人が口を開いた。
絶対にそんなこと思っていないであろう、軽い口調。
俺を馬鹿にしている口調。
不快だ。
