森の魔導師と黄金の羽根

「……腹話術?」



「そうだよ。ほら………」




レオヌート師はぬいぐるみを顔の前に構えて、さっと声音を変えた。




「朝ゴハンの時間ダヨ、リーゼ!

さあ、起きテ、起きテ!!」



「はぁ………そりゃどうも」




あたしは呆れすぎて何も言えず、不細工なぬいぐるみに促されるままに部屋を出た。



その瞬間、なんとも言えない匂いが鼻をつく。




「………なんですか、この匂いは」




嫌な予感を感じつつ、低い声で訊ねると、レオヌート師がにこりと笑って、竈を指差した。




「特製スープを作っているんだよ」




レオヌート師特製………そんなの、言われなくても分かるわよ。


だって………。




「………何なんですか、この不気味な液体は!?」




寝起きで大声を出したせいで、くらりと目眩がした。


それでもあたしは、必死に、竈の中で火に炙られている鉄鍋を指差す。




「どうして鍋から枝が飛び出してるんですか!?」