森の魔導師と黄金の羽根

「それにしても、リゼロッテ、って、呼びにくいね」




突然、思わぬことを言われて、あたしは目を丸くする。


そんなこと、言われたことがなかった。


そもそもあたしは、学園の教師以外から名前を呼ばれることがないのだ。




「………そうでしょうか?

自分の名前なので、よく分かりません」



「まあ、それもそうか。

どちらにしろ、『リゼロッテ』なんて呼び方、ちょっとよそよそしいな。

よし、『リーゼ』って呼ぶことにしよう。

リーゼ、リーゼ。うん、いい感じだ」




レオヌート師は勝手に決めて、勝手に満足してしまった。


リーゼというのは、リゼロッテという名前の愛称だ。


今まで、あたしを愛称で呼ぶ人間はいなかった。


初めて『リーゼ』と呼びかけられて、あたしは、どんな顔をすればいいのか分からない。