20時50分。

ジョーの携帯がなった。
愛恵からだ。


「はい!!」

「元気いいなぁ~」

「マナエさんは、元気ないの?」

「ちょっと眠い…」
「ボクも眠い」

2人とも ただの寝不足だ。

「これから初仕事だね。頑張って」

「うん。ありがとう。マナエさんは?」

「私は1時くらいには終わるかも」

「そっか…じゃあ…」


2人とも 考えていることは同じだった。


ジョーの今夜の 泊まる場所だ…。


「1時ごろ電話出来るようならして…」

「うん。わかったよ」

「じゃあ、頑張って」

「うん。ありがとう」

ジョーは 最後に 受話器越しに キスを チュッと した。

マナエは
「ジョー?」
受話器にキスは出来ないが、

「ワッツ?」

「好き…」

ジョーも、ボクもダイスキだょ と言った。


電話を切り終えた愛恵は、ジョーの顔を思い出す…。


「愛恵さーん。時間ですー」

堺が呼びに来た。

「今行く」



雑誌のインタビューだ。
「おはようございますー。今日はヨロシクお願いします」

雑誌社のインタビューアーと カメラマン。


「インタビュー40分撮影20分で行きますから、先に撮ちゃいますね」

カメラマンの要求に 応え ポーズを取る。

「次後ろ姿で、少し振り向いて下さい」

「はい、ストップ」

カシャ。

20分の間に100枚以上 撮っただろか。

「お疲れ様でした。撮影は終了です!」


愛恵に 堺が水を持って来る。

「ありがとう」

「あとはインタビュー40分すから!」

「はい」



10分ほどして 始まる。
タイトルは
『仕事と結婚』

嫌なタイトルだ…と 愛恵は 苦笑いだった。


無難に 答えて行く。


インタビューアーが
「今は特定の恋人は?」
「ちょっと…すんません。それは…」
堺が 止めに入る。