「彼は、なんて?」

「ちがうって。子供の頃からの付き合いだからって言ってた…」

あながち、間違いではないのだけれど・・・。

「ジョー、もう少し待って・・・。康介に話す事もそうだけど…。私の中で、整理しなきゃならない事で…。時間が、少し、かかる…」

ジョーは、愛恵の顔を撫でた。

「OKだよ。ボクは愛恵さんが好きだ。好きな人のことは、全部信じる。急がなくていいから、ボクのことは、負担に思わないで」

「ありがとう。ジョーを負担になんて思うわけない。逆に、私と付き合うことで、アナタに迷惑かけてしまうかも知れない…」

「ボクはタフだから!」

「それから、康介の事は、好きだけれど、ジョーが思ってるようなことは1度も無いし、これからも無い」

「解ったよ。もう、いいよ」

ジョーは、彼女を抱きしめた。

なんて、心地いい空間なんだろう…。

彼は、私にはもったいない人・・・なのかもしれない。

私と付き合うことで、彼のこの 天真爛漫で、自由な、愛らしさを奪ってしまうのではないか・・・。

知らない土地で、面接をし、何時間も自分を待ち、彼は、あっさりと、落ちてしまったようだった。

彼女もまた、彼の腕の中で、安心感に包まれて眠りについた。


明日は、彼の衣料品を少し買い物に行こう・・・。