10時を過ぎたころ
堺は
「そろそろ行きましょか…せっかくの休みなのに僕の為にこんなことしてもらっちゃって…」
「ばーか。私が飲みたかったんだよー。あ~代行ね~」

堺は 代行で無事愛恵をマンションまで見届けると
深く一礼して
「ありがとうございました」

愛恵は 堺を抱き締めた。
酔っ払っていたからかもしれない。

「オマエはいい男だ。絶対いい彼女できる!」

愛恵は 都会の高層マンションの中で叫んだ。
「部屋まで行きますから」堺は愛恵を部屋までおくろうとしたが 彼女は
「少し酔いさますから外にいるわ」
「じゃあ部屋に戻ったら僕に連絡下さいよ?なければ戻ってきますからね」
心配症の彼を愛恵は見送った。

普通の恋。

彼は芸能人ではないが この業界の人間だ。

そして それを理由に フラれた。

私達にも 恋が芽生えるシーンが あるのかな。
愛恵は寒空のした 相変わらず 星なんか見えない夜空を見上げた。

しばらくの間 目を閉じて深呼吸していた…