昼過ぎに 携帯の着信音で愛恵は目覚めた。
プライベートの携帯だ。仕事は今日まで休みだった。
「…ん、はい…」
半分寝たまま 相手が誰かも確かめずに電話に出る。
「おう。いいな、セレブは…まだ起きないんかい」
康介だ。
「…朝から嫌味が冴えてるね…んんっ…」
遮光カーテンの隙間から太陽が射す…
「まあね。奴、起きたぞ。連絡しろとゆうからしたのに…」
「…そぅ…わかった。ありがと。スグに…30分で行く」

愛恵は何故か 分からないが 気持ちが 弾んでいるのか ソワソワしているのか… とにかく 妙に落ち着かないでいた。
シャワーを浴びて 着替えると、スグに タクシーを捕まえて 康介の診療所へ向かった。

診療室では、 目を覚ましたジョーに
「そのまま寝てろ」と
言ってから、 彼が日本人でない事を思い出して、 日本語は喋れるかを聞いた。
彼は頷いて 「YES」と答えた。
「腹減ってるか?」
康介の問いに ジョーは 「イェィ…バッ キャンナット ナゥ…少し…あたい…」

腹は減ってるようだが 痛くて 食べれないようだ。
―「大丈夫だ。ブドウ糖入れてある。栄養は取れてる。骨は折れてない。そのまましばらくおとなしくしてろ」
流暢な英語にジョーは
―「英語OKなんだ。良かった。ありがとうドクター。聞いていいですか?僕はなんでここにいる?」
―「今から人が来る。同じ説明を2度はめんどくさいだろ。その人がきたら、礼と説明をしてくれ」
ジョーは納得していた。
30分後…
診療所のドアが開く。
「康介っ」
「おぅ。早いな」

「…そう?…で、どうなの?」

ジョーは寝ているようだったが 康介は 少し無理矢理に彼を起こした。
「へぃ、グッモーニンべいびー」

「日本語ダメなの?」
「いや。ん。微妙だな」康介は 先程の日本語混じりの会話を思い出してウケていた…