「あとはー、野菜はー」

愛恵は適当に、かごに入れて行く。

「なに食べたい?」

「今日は、肉!」

「お肉ね…」

買い物は30分くらいで終わった。

「スグ帰る?」

「どこか行きたい?」

「ボクね、チョットいいとこ見つけた」

ジョーは、車をマンションとは反対方向に走らせた。

着いたのは、多摩川の土手。


「ロッド持ってくればよかったなー」

「天気、いいわねー。きもちいい」

土手には、家族連れが数組と、子供たちが遊んでいる。


「子供、生まれたら、マンションやめようかな・・・」

ジョーは愛恵に 自分のシャツを敷いて座りな。と シャツを叩く。

「ジョーはあのマンションがいい?」

「子供できたら、もっと自然ある方がいいね」

「うん…。まだはやいけど。いろいろすることあるわ…」


「愛恵」
「ん?」

ジョーは 愛恵の左手を握る。


「うーん。これ。明後日ないと困るよね」

ジョーはそういうと 愛恵の薬指に エンゲージリングをハメた。

100万くらいは しているだろう…


「ジョー。こんなに…お金…」

彼はアルバイト代の半分を愛恵に生活費として渡していた…

愛恵はいらないといったが、彼は 「自分はヒモじゃないから」と いった。彼は 多分 普通の人よりは稼いでいたが 半分を 愛恵に渡し 残り半分を貯金して この指輪を買ったのだろう…


「ありがとう…」


「愛恵はなんでも似合う!」
ジョーは愛恵の首にキスをした…


「帰ろ」

ジョーは右手を差し出した。

愛恵は これからも この彼の手を 信じて ついてゆくのだ…

愛恵は 彼の右手を掴んだ。

ジョーはそのまま 彼女を 抱き締める…


また、撮られてるかもしれない…

どうでも良かった…

「アイシテル…幸せにするから。」

「私も愛してる」

夏も終わりに近付いていた。