「…俺もオマエがスキだよ。お前と先の人生を生きたい」

優は、あーぁ。これから 財団に連絡を入れて… やらなきゃならないことが 増えた… と笑った。

「なぁ…。俺が行ったっていいんだぞ」

「あたしね。前にも言ったでしょ。父みたいな医者になりたくなかっただけ…ここには、アナタが必要。アナタは、いい医者だもん。ここから、アナタを奪うわけにはいかない。海外派遣医師は代わりはいるけど…ここの代わりは、居ないでしょ?」


「…ありがとう…」
「ここであたしも働く!女も居た方がいいわぁ」

少しづつだが、康介の生活は 変わろうとしていた…


優は、医師財団に 諸事情で辞めることを話した。もちろん スムーズにいった訳ではなかったが…


こうして、『六本木診療所』に 新しい 医師が加わり、以前に増して、地元密着型の診察にこだわる2人の 2人3脚が始まった。



一方で、もう一組の恋の行方は、曇りの影を落とし初めていた…