「ぅ…ん…」
いつもの、夢。

かれこれ、10年以上見続けている。

「…ごめん。…ごめんなさい…」

あまりの寝苦しさに、彼女は睡眠を諦めて仕方なく起きる。
キッチンへ向かうと、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出して、そのまま 一気に流し込んだ。

「…ふぅ…」
時計を見る。まだ5時。彼女の今日の予定は、昼過ぎから、雑誌のインタビューが入っていた。
もぅ少し寝よう。

処方されている睡眠薬を一粒…

こんな薬、ただの気休め…。

薬をウィスキーで飲むと、またベッドに戻った。
心の中で。

「僚…。少し眠らせてね…。あなたが好きよ…ずっと…」

彼女は、ゆっくりと 眠りにつく…