｢ごめ、なんで、涙が･･･｣

どれだけ止まれと願っても溢れる涙。


｢香里奈･･･｣

グイッと、腕を引かれる。

え･･･?

気付けば、私は光の腕の中にいた。


｢ひ、かる･･･｣

強い力で私を抱きしめる光。


｢･･･｣

なにも言わない光。

それは、いつものことだった。

いつも黙って側にいて、私を泣かせてくれる。

光は、私の幼なじみだから。

執事、だから。













ねぇ、光。

私は、光の彼女になりたいよ。

そんな叶うはずもない願いを打ち上げられる花火の音に込めていた。