「そうだよね」

どうしてわざわざクリスマスにパーティーに行かなくちゃいけないのか。

ただでさえ、苦手なのに…。


「今回は、規模が大きいって聞いたよ」


「なら、ここの生徒も私たち以外にも来るかもしれないね」


「まぁ、半分も来ないとは思うけど」


「またパーティーか…」


「香里奈ちゃん、今年も演奏するの?」


「……しないよ」


「そっか………」

私は、毎年このクリスマスパーティーでヴァイオリンを披露していた。


「もう、この3ヶ月間、ずっと弾いてないしね」

でも、伴奏を担当していた光がいなくなった今、伴奏者のいない私はもう演奏しない。


「3ヶ月…か………」

那月くんが、窓の外を見た。

チラチラと雪が舞うのが見えた。

窓際に生徒が集まっていく。