数十分後
「そろそろお昼の時間ですので、お嬢様に昼食をお届けしてまいります」
「お願いします」
光さんはまだ出てこない。
まぁ、十年もここにいたんだもの。
多少時間はかかるわよね。
「早苗さんっ!」
「はい?」
最近、焦って名前を呼ばれることが多くなった気がするのは気のせいだろうか。
「お嬢様がっ!」
「またおられないんですか?」
「はいっ。今、花壇を見ていただいております」
「わかりました、私も行きます」
そういって、シェフさんの横を通り過ぎようとしたとき…
「……光さん」
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