どうしよ、用はないけど…


「えーと、」

私は言葉を濁した。

どうしようどうしよう


「お嬢さま?」


「いや、違うの。違うくて…えーと、」

何が違うのよ。

なにも違うくなんてない。

光が困ってる。

早く何か言わなくちゃ。


「お嬢さま、眠れないのでしたら、ホットミルクでも淹れてきましょうか」


「え、いいわよ、そんなの」


「気になさらないでください」


「なら…光も一緒に飲んでよ」


「…ですが、」


「いいでしょう?」


「…かしこまりました、お嬢さま」

困ったように笑った光は一礼して出て行った。










そして、最後の夜が始まる。