風は囁く「君と輝きたいから」

小百合さんは、スゴい勢いで、床にヒビが入るんじゃないかと思うくらい音を鳴らして、試写会室を出ていった。


「Oh! My GOD」

俺は思わず、思い切り叫んだ。


「リリィの孫とは思えないな……リリィとは正反対だ」


「詩月さん。それ、絶対に本人の前で言っちゃダメだから」


「もちろんだ、ビンタはされたくないからな」

この人のこのギャップは何なのか? と思う。

詩月さんの演奏があまりにスゴすぎる分、妙に人間臭さが目立つなと感じる。

頼りなさとか、天然さとか無邪気さとか……天才と鈍才は紙一重というのは、こういうことなのかと、思ってしまった。

聖諒の学長は、フローラ化粧品と俺たちの事務所の双方へ、愛想を振り撒き機嫌をとり、紙袋いっぱいのCMポスターを受け取り、忙しく大学へ戻って行った。