ドイツにある様々な昔話や尾ひれ目ひれがつき結びついてできたのが、ローレライ伝説だ。

ライン河を航行する舟人が、ローレライの歌声に聞き惚れ、舵を取るのも忘れ、岩に舟を打ちつけ淵に沈んでしまうとか、浮気をした恋人に絶望しライン河に身を投げた美女が、水の精になり歌声で漁師を誘惑し破滅へ導くとか。

「ドイツの詩人ハイネの詩『ローレライ』で、更に有名になったのに、ヒットラーが歌うのを禁止した、何で?」

「ヒットラーがユダヤ人嫌いでハイネがユダヤ人やったから、ちゃう? お前さ、歴史の授業ちゃんと聞いてへんやろ。ホロコーストとか知らんやろ? ヒットラーはユダヤ人を大量虐殺したんや。毒ガス嗅がしてな」

「うわーっ、めちゃくちゃ悪人じゃん」

 ハイネの詩は難しくて、あまり意味がわからなかった。