風は囁く「君と輝きたいから」

こんな時間に詩月さんからと、戸惑いながら急いでスマホを操作する。


「もしもし、詩月さん」


――Haruka, guten Abend. In Einf・hrung der Meister, ich spiele das neunte wurde vom Orchester bestimmt. Vielmehr Schlaf gefallen, es war Telefon


意味不明な言語で、滑らかにスゴい早口で話す詩月さん。
掠れ気味の細い声が、スゴく明るい。


「えっ、詩月さん? ちょっ、ちょっと待って、日本語で話して」


――あっ……すまない、遥。マイスターの紹介で、楽団で第九演奏が決まったんだ。嬉しくて眠れなくて、電話した


「スゴいじゃん。いきなりわかんない言葉でビックリした」


――ドイツ語だ。つい興奮して


「元気そうだね。安心した。『ケルントナー通りのヴァイオリン王子』の動画を観たよ。ヴァイオリンロマンスの曲だね」


――あれはミヒャエルが勝手に