風は囁く「君と輝きたいから」

「そう」


「エレキヴァイオリンを?」


「ああ、海岸通り公園で合流」


「えっ!? エレキヴァイオリン持ってるの?」


「まあな」


「ウソっ」


「なかなか面白い楽器だ」


「詩月、手続きは済んだのか」

正門まで歩くと、聞き覚えのある声に呼び止められる。


「理久、無事に完了。今、帰り?」


「ああ、乗って行くか?」


「助かるよ」


「抜け道を通れば徒歩20分くらいだが、坂道なのが難点だよな」

理久は、緒方を一瞥し何も詮索せず、車を取りに行く。


「あなたの家は、理久の家の隣だと聞いたけれど」


「ああ、岩舘病院の隣だな。理久の兄貴が主治医」

あとの会話をどう繋げていいか、わからない。


「ライブ聴きにくるだろ?」


「ええ」

理久が緒方との会話を遮るように、車を正門前に着ける。