風は囁く「君と輝きたいから」

「曲と歌詞がいいからな」


「あっ、あなたがアレンジした……」


「緒方、暑くないか? モルダウで……」


涼まないか?と言いかけた時、僕の鞄の中からスマホの着信音。

クラシックでも、ノーマルな機械音でもない歌詞つきのメロディーに、緒方が驚いたような顔をする。


「もしもし、遥?」


――詩月さん、今どこ?
2時から、ゲリラライブをすることになったんだ


「2時? 急だな……何処で?」


――えっと、海岸通り公園


「海岸通り公園……」


――大丈夫? エレキヴァイオリンを用意できるかな?


「ああ、問題ない」


――じゃあ、2時に


スマホを仕舞い、一呼吸おくと、緒方が訊ねる。


「遥くん、何て?」


「2時からゲリラライブだ」


「この間みたいな?」