風は囁く「君と輝きたいから」

周桜くんは、おばあちゃんが予選落ちしたエリザベート国際音楽コンクールに喧嘩を売りにいくんだと


周桜くんが「ローレライ」と言われながら、様々なオファーや留学の話を持ちかけられているのは、学内でも噂になっている。


昨年秋。

周桜くんは初めて出場したヴァイオリンコンクールで優勝した。

コンクールの副賞がNフィルとの1年契約の共演。


無名のヴァイオリニストが短期間で、Nフィルを彼処まで変え、客層を広げるとは思わなかったと言われている。

周桜くんのヴァイオリン演奏を初めて聴いた時、心が洗われるようだった。

だけど、周桜くんはヴァイオリン科の学生ではない。

大学入試のピアノ実力試験。

周桜くんは、170年で録音したピアニストが4人しかいない曲、幻とまで言われている難曲「ラ·カンパネラ第3番変イ短調」をミスなく、完璧に弾きこなしたほどの実力者だ。