風は囁く「君と輝きたいから」

周桜くんはポツリ呟き、安坂さんを見る。

周桜くんが緒方さんと一緒に、XCEON のマネジャーが入院している病院に行ったという話は、聞いている。


「ねぇ、病院へは偶然一緒に?」


「電車の中で偶然会って、美術館に猫の写真展、観に行こうとしてたんだけど……」

周桜くんの顔が、ほんのり紅くなる。


「クリーニングには出した?」

安坂さんとわたしは、緒方さんの質問に首を傾げる。

周桜くんのメニューに伸ばした手が震えている。


「クリーニング?」

安坂さんが、ニコニコしながら訊ねる。


「電車の中で体制を崩して……」


「うわっ、緒方!?……」

周桜くんは慌てて、緒方さんを制する。


「なるほど」

何がなるほどなのか、安坂さんは全てを察したように、ゆっくりと口角を上げた。


「何焦ってるの? シャツに、口」