風は囁く「君と輝きたいから」

周桜くんは、緒方さんと安坂さんが座っている席まで歩く。

「遅くなった……」

緒方さんは、周桜くんを見上げて柔らかく「お疲れ様」と微笑んだ。

周桜くんは鞄とヴァイオリンケースを下ろし、軽く会釈し安坂さんの隣に座る。

わたしは「相席いい?」と訊ね緒方さんの隣に座る。


「オケですか?」


「いや、集中講義」


「必須科目が結構多いですよね……大学って、もっと楽だと思っていたけれど」


「まあな……理久から落ち込んでいるって聞いていたが大丈夫そうだな。ちょっと、妬けるくらい心配していた」


「あの画像の様子だと、心配しないほうがおかしいわよ」

緒方さんが周桜くんにメモを返しながら「ねえ」と、同意を求めるように言う。


「イヤなことを思い出させるなよ」