風は囁く「君と輝きたいから」

「おばあちゃんが、ファイナルまで進めなかったコンクール……自信はあるの?」


「自信? そんなことは考えていない。挑戦したいコンクールに向かって精一杯頑張る……それだけだ」


「精一杯、それだけ?」


「他に何が? 自信がつくまで挑戦しないなんてナンセンスだ。コンクールに照準を合わせ、1発1発を最善で弾く。コンクールがゴールではないからな」


「あなた、XCEON のメンバーが言っていた通りね。いつでも全力なのね」


「中途半端で後悔したくないからな……万全な体調で、確実に弾ける方が難しいし稀だからな」


「演奏聴いている限り、そんな風には思えないけど」

そう。周桜くんの演奏は、いつだって体調の悪さを感じさせない。

おばあちゃんの日記や週刊誌の記事を読んでいて、周桜くんが心臓病だと知っていても演奏からは、そんなことが全く信じられない。