俺は詩月さんを庇うみたいに言う。
「千住さんは私の知らない周桜くんを知ってるんだって思う」
郁子さんは私だって、「千住さんの知らない周桜くんを知っている」と言いたげな顔だ。
「理久が言ってた……電車の中のこと。『感情を押し殺して、誰にも話せずに、自分の殻に閉じ込めてたアイツが、声を上げて泣けるようになったんだって。……隠してた体のことをさらけ出して話せるようになったんだ』って」
「……」
「ローレライのことは凄く怒ってた。理久、周桜くんを『ローレライ』と言ったモルダウのお客さんに殴りかかろうとしたのよ」
想像しただけで身震いがした。
ただでさえ、恐そうなオーラ全開の岩舘さんが怒ったらと考えただけで、寒気がした。
「ん……そもそも何でローレライなんて」
俺は思い切って訊ねる。
詩月さんの演奏も音色も、コンサートで観客が総立ちで、アンコールするほど感動していた。
「千住さんは私の知らない周桜くんを知ってるんだって思う」
郁子さんは私だって、「千住さんの知らない周桜くんを知っている」と言いたげな顔だ。
「理久が言ってた……電車の中のこと。『感情を押し殺して、誰にも話せずに、自分の殻に閉じ込めてたアイツが、声を上げて泣けるようになったんだって。……隠してた体のことをさらけ出して話せるようになったんだ』って」
「……」
「ローレライのことは凄く怒ってた。理久、周桜くんを『ローレライ』と言ったモルダウのお客さんに殴りかかろうとしたのよ」
想像しただけで身震いがした。
ただでさえ、恐そうなオーラ全開の岩舘さんが怒ったらと考えただけで、寒気がした。
「ん……そもそも何でローレライなんて」
俺は思い切って訊ねる。
詩月さんの演奏も音色も、コンサートで観客が総立ちで、アンコールするほど感動していた。



