風は囁く「君と輝きたいから」

「からかうなよ。真剣な話をしてるのに」

顔を下半分、手で隠す。


「詩月さん。桃香さん……俺たちには話してくれないことも、詩月さんになら話すかもしれない」

俺は冷静に、懇願にも似た思いを伝える。


「いいのか?」


「俺たちだって、真意を知りたい」


「わかった」

詩月さんは病棟受付に、面会を申し出る。


「舞園桃香さんから……話があるからと言われてきました。周桜です。病室に行ってもいいですか?」

穏やかに、自然に、写真付きの学生証まで見せて、面会を申し出た詩月さん。

すんなりと受付を抜けて、病室に歩いていく。

ウソだろと思った。

そんな面会申し出の方法があったのかと。

「やるわね。アポは取ってあるなんて嘘」

郁子さんが、フフっと小さく笑っている。


「消毒薬の匂いが苦手だなんて言いながら、病院には慣れてるのよね、周桜くんは」