風は囁く「君と輝きたいから」

聖諒に転校してきてからのこと。

ピアニスト周桜宗月――周桜くんのお父さんの演奏に酷似した周桜くんの演奏。

お父さんのショパンを完璧にコピーしてしまうほど、影響されて苦しんでいた頃――。

周桜くんはショパンは弾かないと、封印していたこと。

カフェ・モルダウでの周桜くんの様子や、ピアニストを諦めたいと相談していたこと。

悩んで苦しんでいた周桜くんの高校1年生から、2年生の9月途中までの日記。

おばあちゃんは亡くなる数日前、昏睡状態になるまで周桜くんの体のことや将来を気にかけていた。


「足掻いても嘆いても、わからなかった答えだ。……リリィには心配ばかりかけた」

周桜くんは寂しそうに笑った。


「おばあちゃんの弔問に来た人が、おばあちゃんのために、たくさん演奏してくれたけれど心に響いたのは、あなたの演奏だけだった」