詩月さん自身の口から聞く、詩月さんの病状や詩月さんの抱えているもの。
「30分もしないうちに、指が痺れ、手首が吊り、関節が腫れて熱を持つ……。それでも練習しなきゃ、元の演奏には追いつかない。
弾いていて、発作を起こすことも度々……」
淡々と話す詩月さんの声が、静まりかえった人垣に響く。
「課題がある時には、無茶な練習や弾き方もする。
知らないうちに指を痛めていて、昨秋には腱鞘炎と診断されて……未だに練習時間は、半減されたままだ」
詩月さんは、更に続ける。
「それでも、弾けないよりはずっとマシ。
治る見込みがあるだけ、演奏家生命を断たれていないだけマシだ」
詩月さんは、はだけたシャツの前をサッと重ねて、ヴァイオリンをギュッと、胸に抱き締める。
「母は重症の腱鞘炎で激痛に悲鳴を上げながら、薬で痛みを抑えて……ヴァイオリンを弾き続け、無理を重ねて、演奏家生命を断たれた。
……母を恨んだこともある」
「30分もしないうちに、指が痺れ、手首が吊り、関節が腫れて熱を持つ……。それでも練習しなきゃ、元の演奏には追いつかない。
弾いていて、発作を起こすことも度々……」
淡々と話す詩月さんの声が、静まりかえった人垣に響く。
「課題がある時には、無茶な練習や弾き方もする。
知らないうちに指を痛めていて、昨秋には腱鞘炎と診断されて……未だに練習時間は、半減されたままだ」
詩月さんは、更に続ける。
「それでも、弾けないよりはずっとマシ。
治る見込みがあるだけ、演奏家生命を断たれていないだけマシだ」
詩月さんは、はだけたシャツの前をサッと重ねて、ヴァイオリンをギュッと、胸に抱き締める。
「母は重症の腱鞘炎で激痛に悲鳴を上げながら、薬で痛みを抑えて……ヴァイオリンを弾き続け、無理を重ねて、演奏家生命を断たれた。
……母を恨んだこともある」



