風は囁く「君と輝きたいから」

俺の中で詩月さんは、しだいしだいに存在感を増していく。


そして……翌朝。


「えーーーーっ!?」

俺の叫び声が、昴と空の目覚まし代わりだった。


俺が寝ぼけたり、はしゃいだりして、大きな声を出すことは、珍しいことじゃない。


「何だよ、また寝ぼけてるのか?」

空が怒った声で訊ねたけど、俺は叫んだ後、パソコンの画面を開いたまま、固まっている。

見つめているのは、動画サイトにUPされた詩月さんだ。

巨大スクリーンの反対側、詩月さんが「Jupiter」を弾いていた後の一部始終――。

それは、週刊Faceの記事よりも衝撃的で刺激的な……詩月さんの姿だった。

雑踏の中で「妹尾さん」と呼んだ詩月さん。

詩月さんは「すみません」と、人垣を掻き分け、女性の手を掴む。

女性は詩月さんの手を振り切り、詩月さんに、背を向ける。

――いったい何をするんだ、何をやってるんだ!?