風は囁く「君と輝きたいから」

俺は詩月さんの後ろ姿を見ながら、「確かに」と納得してしまった。


――詩月が入院した


岩舘さんからメールがあったのは、その日の夜……21時過ぎだった。

詩月さんは、金管楽器メンバーと大学に戻り講義を受けて、夕方Nフィルの練習に参加して倒れたそうだ。

俺はメールだけでは不安で、すぐさま電話をかけた。

詩月さんは朝から、38℃近い熱があったらしい。

岩舘さんは、4月中旬から気温が上り、湿度が高かったり雨が続いたりして天気が不安定で、詩月さんは体調を崩す日が多かったと話した。

詩月さんに会うたび感じていた、詩月さんの体温。

ダンスレッスンを終えた直後の俺たちよりも、詩月さんの体はいつも熱かった。

俺は詩月さんが時々、胸に手を当てる仕草は、詩月さんの癖だと思っていた。



――時間が空いた時でいい。10分、いや5分でもいいから会ってやって