「あっ!ちょっと恋にぃ!蒼にぃ!そこばっかり靴下の飾りつけないで!」



「「だってこの方がサンタクロースが靴下見つけやすいじゃんね」」




おい双子。

なぜ今俺を見た。


プレゼントなんてやらねぇぞ。




「「慎はこれつけてあげる」」



そう言って煌が慎の体にぐるぐる巻きにしてつけたのは、電気で光る小さいライトがたくさんついたもの。



「はい、部屋の電気消して、スイッチ押しまーす」




真っ暗になった部屋でポチっとスイッチを押した瞬間、慎の体が色とりどりにライトアップされた。



「「おーー」」



うん、あのな?



「慎、すっげえ光ってる!!」


「綺麗だぞー!」


「ホントに光って見えるね」



そうだな、綺麗だよ。

だってライトだもんな。




「「慎、アイドルみたいだ」」


「「スーパースターだね」」



確かにステージに上がったアイドルに見えなくもない。


けど。



「ホント!?俺アイドルに見えるー!?」


けどな。




「お前らさっさと飾って飯食いやがれ!!」



いつまでふざけんてんだコラァ!!



「「えーー、せっかく楽しいのに…」」


「お前ら1週間飯抜きに……」


「「すみませんでした」」



ペコリと礼儀正しく90度に頭を下げると、弟達は真面目に飾り付けに取り掛かった。


ったく。

ホント、世話の焼ける弟達だ。



でもこんなに元気だと、サンタクロースも驚いて来ないかもな。



なんて。


俺も少しだけ、馬鹿なことを考えたりした。




おわり。