side 翔輝


「起きろーー!!」


12月に入り、肌寒い休日の朝。

今日も始まる、久遠家の1日。



「おはよー」

「おはよう翔にぃ」



あくびをしながらまだ眠たそうに起きてきたのは、慶。


爽やかな笑顔で起きてきたのは、翠だ。



「翠にぃ、朝からそんな王子様スマイル向けないで!」


「は!?」


「こっち見んなぁああっ」


「はぁああ!?」



慶は眩しい!というように手で目を隠しながら洗面所へと向かっていった。


相変わらず騒がしいやつだ。



「なんだ?あいつ」



どうやら当の本人は、自分の容姿の良さに気づいていないらしい。


無自覚ってのは罪だよ、翠くん。



「そうだ、翔にぃ。今年のクリスマスはどうする?ツリーだす?」


「あー、もうそんな時期か。そうだな、せっかくだし出すか」



毎年恒例の、クリスマスツリー。

久遠家のツリーは、てっぺんが天井に着くほどに大きい。



というわけで。



「「飾り付けー!!」」



起きてきた兄弟全員で、飾り付け開始。



「おまえらー、あんま派手にすんなよー?」


俺はリビングのテーブルで仕事をしながら弟たちに声をかける。



「大丈夫だってー」

「まっかせといてー」



ホントに大丈夫かよ。



少し不安に思いながら仕事をしていると、兄弟の楽しそうな会話が聞こえてくる。