俺、兄貴になりました③




仕事に私情を挟むな。



そう思っていても、気づけばあいつらのことを考えていて集中できない。


そうなれば、もちろん仕事にも影響してくるわけで。



「おい久遠、どうしたんだよ。いつものお前ならすぐアイデア浮かぶだろ」


助手としてついてきた、先程の同僚とは違う奴が苛立ちを含めた声で言ってきた。


「あー、悪い。なんか今は全然アイデア浮かぶ気しねぇわ」




今回の仕事は、世界的に有名なアーティストの衣装を手がけて欲しいという要望を受けた。


まぁ、そのアーティストは俺のお得意様なんだけど。



「しっかりしてくれよ。この仕事はお前にかかってんだからな!」


「あぁ」




お前は何もしねぇだろ。

俺に何でもかも押し付けんじゃねぇ。



と、思ったことは黙っておこう。