俺、兄貴になりました③




「じゃあ、行ってくる」



玄関を出て、同僚の車に乗り込む。



「翔輝、お前顔色悪いぞ。大丈夫か?」


「あぁ、平気だ。体は問題ねぇから」




体は、な…。




「お前が倒れたりしたら仕事になんねぇんだから。辛くなったら言えよ?」



「おう、ありがとな」




これは俺個人の問題。


仕事に私情を挟む訳にはいかない。



『嫌いだ!!』




その言葉を頭から振り払うように、俺はそっと、目を閉じた。