慶くんの部屋に戻ろうと階段を登っていると、何やら2階からバタバタと足音が聞こえてきて。
誰だろう?
慶くん…ではないか。
バタバタとした足音はどんどん近づいてきて。
ドンッ。
「きゃ……」
階段を丁度登り終えたところでその足音の人物とぶつかった。
「あっ!愛ねぇゴメン!大丈夫だった!?」
その人物は、今年高校一年生になった九男の尚くんだった。
甲子園に連続で何度も出場している強豪校にスカウトされ、更には一年生ですでにレギュラーとしてユニフォームをもらっているみたい。
強豪校って、部員が100人越えてるのとか普通だよね。
その中で数人しか選ばれないところに、一年生がいるだけでも驚きだよ。
「尚くんかー。うん、大丈夫だよ」
「ホントごめん!急いでて…」
両手を合わせて私に謝ってくる尚くん。
怪我とかもしてないから大丈夫なのに。



