俺、兄貴になりました③




「恋、これはこいつらにも教えておいた方がいい。お前がどんな扱いをされていたのか。知らされていない方が辛いこともあるんだ」



「!」




恋は俺の言葉の意味を理解したようで、隣に立つ蒼を見た。



双子としてずっと恋を支えてきた蒼には教えてやるべきだ。




「兄貴、教えて。恋はどんな扱いをされてたの」




蒼の目が懇願するように俺を捕らえて離さない。




「恋は、小さい頃からお袋の駒のような扱いをされていたんだ」




その瞬間、兄弟の目が大きく見開かれた。




「こ、ま…?」


「恋にぃが、駒…?」


「どういうことだよ、兄貴…!」




俺は昨日の夜、恋から聞いた全ての真実を話した。



もちろん、恋を『なんとも思ってない』と言ったことも全て。