「恋、これはこいつらにも教えておいた方がいい。お前がどんな扱いをされていたのか。知らされていない方が辛いこともあるんだ」
「!」
恋は俺の言葉の意味を理解したようで、隣に立つ蒼を見た。
双子としてずっと恋を支えてきた蒼には教えてやるべきだ。
「兄貴、教えて。恋はどんな扱いをされてたの」
蒼の目が懇願するように俺を捕らえて離さない。
「恋は、小さい頃からお袋の駒のような扱いをされていたんだ」
その瞬間、兄弟の目が大きく見開かれた。
「こ、ま…?」
「恋にぃが、駒…?」
「どういうことだよ、兄貴…!」
俺は昨日の夜、恋から聞いた全ての真実を話した。
もちろん、恋を『なんとも思ってない』と言ったことも全て。



