次の日の朝、俺は早速行動に出た。
朝食を食べて、部屋を出ようと準備をしていた時。
「お袋、ちょっといいか」
俺の声に、みんなが一斉に手を止めて俺を見た。
「翔輝くん、どうしたの?」
不思議そうに俺を見上げるお袋。
「単刀直入に言う。恋に謝って欲しい」
「っ…!」
「え…翔にぃ、どういうこと?」
「母さんが何かしたの?」
弟達の質問には答えず、俺は真っ直ぐにお袋を見下ろす。
親父も、弟も驚いたように俺を見ていた。
「お袋、自分が恋になにをしたか覚えてるよな」
「っ……」
「あんなことをしておいて、謝りもせずに距離を縮めようなんて虫がよすぎるんじゃねぇの」
ビクッと肩を震わせて、お袋は俯いてしまった。
謝る気はねぇって言いたいわけね。
「おい、翔輝。どういうことだ」
「お袋はな……」
「兄貴!」
俺の言葉に被せるように言ったのは恋だ。
言わなくていい。
そう言ってるのが表情で分かる。
けどな。



