俺、兄貴になりました③




「蒼がいるから、俺に話しかけてんじゃないかって……何か、裏があるんじゃないかって……っ……兄貴、俺どうすればいいの…?」




どうすれば正解なの?


どうすればよかったの?




「どうすればっ……これ以上嫌われなくて済むの…っ…」



「恋っ…」




兄貴に腕を引かれて、気づいたら俺は兄貴の腕の中にいた。



兄貴は、泣いている俺の顔を胸に押し当てるようにして抱きしめた。




「兄、貴…っ……」




22にもなって、こんなことで泣くなんてめちゃくちゃ格好悪い。



だけど、それ以上に怖かったんだ。



母さんを取り囲む弟達を見て思った。


いつか、皆が俺から離れていってしまうんじゃないかって。



一人になってしまうんじゃないかって。



俺はもう、兄弟からもいらないと言われてしまうんじゃないかって。