俺、兄貴になりました③




その言葉を言われてから気づいたこともある。


例えば、誕生日プレゼントは必ず蒼が欲しいと言った物で、俺はおまけみたいなものだったとか。


受験のことで話し合う大切な三者面談は、蒼の時は必ず来るのに、俺の時は一度も来たことがないとか。




そんなことがあったっていうのに。




「今日…いきなり話しかけられたって、どうすればいいか分かんねぇよ…っ…」



「恋…」



「俺だって、分かってるよ…っ……昔のことくらい許せって……だけど、だけど……忘れられないんだよ……」




『なんとも思ってない』



その言葉が、どうしても頭から離れなかった。