そして当日。
「おい!充電器持ったか!?」
「人数いっぱいいるからタコ足コンセント持ってこー」
「あれ!?俺のお菓子がない!!」
「さっき鞄に入れてただろ!」
「雷、シャンプーとリンス持った?」
「あ、忘れてた」
朝から騒がしく準備をし始める弟達。
あのさ。
こうなるって分かってたから…。
「準備しとけって言ったよなお前らぁ!」
なんで準備してねぇんだよ!
準備してたの翠と陽だけじゃねぇか!
「ほら、お前ら車乗れー!」
車は1台に全員は乗れないから、親父と俺が運転で2台で行くことになった。
上の奴ら…つまり双子の四人は親父とお袋の車、他の5人が俺の車に乗り込んだ。
慶と慎が俺の車じゃないと嫌だと言い出したためだ。
翠と尚はどっちでもいいって言ったけど、慶は翠の、慎は尚の言うことはちゃんと聞くから、
俺的にも助かると思ってこっちに乗ってもらった。
双子はもちろん2人揃ってないと嫌だとゴネるから一緒に乗せたけど。
あいつら大丈夫か?
特に恋と蒼はお袋を少し嫌っているところがある。
そりゃ、二人の区別もつかない母親なんてヤダろうけど…。
それをいうなら親父だってそうだ。
再婚して四年が経つけど、こうしてちゃんとまともに顔を合わせたのは数回くらい。
数回会っただけで分かるはずがないんだ。