「小野先輩、もう少しで練習始めるんで、起きてください。」

そう言うと、小野先輩は眠そうな目を擦りながら立ち上がった。

「だから下の名前で呼べって。堅苦しいの嫌いなんだよ。」

と言われてしまった。昨日も言われたけど、男の人を下の名前で呼ぶのは、少し苦手だ。

だけど私は

「わかりました。」

と言った。

たから私は小野先輩の事を星夜さんと呼ぶことになった。

それから私達は、一言も話さず皆の所に戻った。

ガラガラ…

「おっ!お帰り東城、輝も来てるぞ」

「ただいまです!じゃあ、全員揃いましたね」

「星夜、お前昨日も遅刻しただろ、しかも2回連続で東城に来てもらって……」

「わかった、わかったから」

そう面倒くさそうに返事をしてから、星夜さんはドラムを組み立て始めた。金曜日は初めてだったから、自己紹介とか色々して、あまり楽器には触れなかった。だから今日皆の演奏を見ることになる。

「よし!んじゃ星夜も来たことだし、取り敢えず30分自主練!わかんないとこがあったら俺に聞いてくれ、わかる範囲だったら教えるから。」

「「はい!」」