リナリアの王女2

 『何もないところですが、寛いで下さい』

グレンさんの部屋はとってもシンプルなものだった。
必要最低限の物しか置いていないような、それでいて別に生活感がないわけではなく、グレンさんと同じで居心地が良い感じがする。

「すみません」
グレンさんに勧められるままにソファに座り、開口一番私はグレンさんに謝った。

グレンさんにまで迷惑を掛けてしまう私って何なんだろう・・・。

自分の情けなさが嫌になる。
『エリーゼ様が謝る必要はないですよ。私が勝手にやっている事です』

相変わらず繋がれたままの手から少し強い力を感じた。
まるで大丈夫だと言ってくれているかのように。



「あ・・・」



そう思っていた矢先に繋がれていた手が離された。
当たり前か。
グレンさんは泣き出した私をこの部屋まで連れてくる為に手を繋いでいてくれたんだ。
部屋に着いたのなら手を離すのは当然だ。
でも・・・なくなってしまった温もりにまた涙が滲んでしまった。

『少し飲み物の準備をするだけですよ。大丈夫です』

元々鋭い人だ。
私の反応で意味が分かったのか、私の顔を覗き込み安心させるように言ってくれた。
子供のような反応をしてしまった自分が恥ずかしくて赤くなる顔を隠しながら私は頷いた。