リナリアの王女2


 最低だ。

向き合うと言っておきながら、私は結局楽な方へと逃げている。
クラウドが私の事を責めてくれれば良い、と。
自分勝手な事を言う馬鹿な女だと思ってくれれば、嫌いになってくれれば楽になる、と思ってしまった。
きっと酷い顔をしているだろう。
私は布団で顔を隠した。





「・・・エリーゼ」





彼は布団の上から私の頭の部分に手を置いた。
「俺が急ぎ過ぎたんだ。エリーゼは俺の事を好きだと言ってくれた。」
私の頭を撫でながら言う。


「それだけで十分だ。確かに皆に自慢したくて事を急いてしまったが、エリーゼが俺の事を好きだと思ってくれているのなら、紹介はいつだって良い」





どうか、



どうか私が泣いている事に気づかないで。




私の身体よ、




絶対に震えるな。




そう言い聞かすので精一杯で、彼の言葉に何も返せなかった。