最低だ。
向き合うと言っておきながら、私は結局楽な方へと逃げている。
クラウドが私の事を責めてくれれば良い、と。
自分勝手な事を言う馬鹿な女だと思ってくれれば、嫌いになってくれれば楽になる、と思ってしまった。
きっと酷い顔をしているだろう。
私は布団で顔を隠した。
「・・・エリーゼ」
彼は布団の上から私の頭の部分に手を置いた。
「俺が急ぎ過ぎたんだ。エリーゼは俺の事を好きだと言ってくれた。」
私の頭を撫でながら言う。
「それだけで十分だ。確かに皆に自慢したくて事を急いてしまったが、エリーゼが俺の事を好きだと思ってくれているのなら、紹介はいつだって良い」
どうか、
どうか私が泣いている事に気づかないで。
私の身体よ、
絶対に震えるな。
そう言い聞かすので精一杯で、彼の言葉に何も返せなかった。

