「おはよー」

「おはよ。今日も暑いね、嫌になるよ~」


学校が近くなるにつれて、生徒たちの話し声があちこちから聞こえてくる。

「あ、王子…お早うございます」


暑いですね、と頬をピンク色に染めて手で顔を扇ぎながら挨拶をしてきた女の子。

艶のある漆黒の髪の毛がすごくきれい。

あーっ、やっぱり女の子っていいなー。
凄く癒されるし。

「おはよう、熱中症にならないようにね」

「は、はい!」


それから靴箱で履き替えてる時も、
廊下を歩いている時も、たくさんの子に声をかけられ、笑顔で言葉を返す。


「みんな、おは―っ!?」

にこやかに挨拶をしようとしている途中に、教室の前方から勢い良く走ってきた星加がタックルをかましてきた。