「瑠璃は俺と宏を重ねてなんかないよ。」 「…なんでそう思うの?」 兄ちゃんは悲しい表情から いつもの優しい微笑みへと変わった。 「安心しろ。お前と俺は似てない。」 そう言った。 ―どういうことだ? 兄ちゃんはアルバムを一通り見終わると 素早く閉じた。 ゆっくり立ち上がると アルバムを手に持ち部屋を出ようとした。 そんな兄ちゃんの後ろ姿を見つめていると 兄ちゃんはぴたりと止まった。 「俺,来月戻るから。」